はじめに
久々の更新になってしまいました。
前回の初回測定では、80N付近でモーターが脱調してしまう問題がありました。そこで今回、試験機を一から作り直すことにしました。
主な変更点は、モーターの強化とボールねじの導入です。これで安定した測定ができるようになったと思います。
作り直しで変えたところ
今回の改良で変更した主なポイントは以下の通りです。
今回の変更点まとめ
- モーター強化(脱調対策)
前回使っていたモーターよりもかなり余裕のあるスペックに変更しました。これで脱調の心配はなくなったはずです。
- ボールねじ化(剛性/再現性/位置決め精度の改善狙い)
リードシャフトからボールねじに変更しました。寸法精度がかなり上がると思います。剛性も上がっているので、測定の再現性も良くなっているかもしれません。
- 寸法測定装置(未導入、将来の拡張)
寸法測定装置も購入しました。気が向いたら追加するかもしれませんが、今はまだ未導入です。
ボールねじ化は特に大きな変更で、位置決め精度と剛性の両方が改善されているはずです。前回のリードシャフトと比べて、どれくらい違いが出るか楽しみです。
さっそくテスト
早速、PLAで前回データと比較してみました。
比較に使ったのは、ELEGOO PLA(黄色)のパターン1です。前回の初回測定で使ったのと同じフィラメント、同じ積層パターンで試験片を作成し、同じ条件で測定しました。これで、試験機の違いによる影響を純粋に比較できるはずです。
旧データは前回の試験機(リードシャフト+旧モーター)で測定したもの、今回データは作り直した試験機(ボールねじ+強化モーター)で測定したものです。まずはグラフで見てみましょう。
旧データ vs 今回データ 比較グラフ
グラフを見ると、いくつか興味深い点が見えてきます。
まず、最大応力(Stress)は同じくらいのデータが取れました。これは良い兆候だと思います。前回と同等の値が出るということは、測定自体は正しく行えているということかもしれません。試験機を作り直しても、最大荷重の測定値が大きく変わらなかったのは安心材料です。
一方で、ひずみ値(Strain)は少し前と違うみたいです。前回よりも若干小さめの値になっています。同じ最大応力に達するまでの変形量が、今回の方が少なくなっているように見えます。
この違いが何を意味するのか、まだ断定はできませんが、いくつか考えられる要因があります。ボールねじ化による剛性向上で試験機自体の変形が減ったこと、位置決め精度が上がったことなどが影響している可能性があります。
まずは比較の土台ができたので、この調子で他のパターンや他の材料でもデータを取っていきたいと思います。
前回は80N付近でステッピングモーターの脱調が起きていましたが、今回のPLAテストでは最大荷重が約127Nまで上がりました。脱調する様子はなく、現時点では改善できていそうです。
なお、前回よく出てきた"80N付近"という表現は、今回のグラフ(Stress表示)で見るとおおよそ48MPa付近に相当するポイントのことです。単位が混在して分かりづらくてすみません(荷重Nと応力MPaが混ざっていました)。
今のところの感触
ひずみ値が変わった理由について、いくつか考えられることがあります。
まず、剛性が上がったこと。ボールねじ化で試験機全体の剛性が向上したため、試験片以外の部分の変形が減った可能性があります。これにより、より正確な変位が測定できているのかもしれません。
次に、ボールねじ化で寸法精度が上がったこと。位置決め精度が向上したことで、変位の測定がより正確になっている可能性もあります。
真偽は不明ですが、個人的にはデータ精度が上がったと考えて喜んでいます。前回よりも信頼できる測定ができるようになったと思いたいです。
これから
ただ、問題もあります。データ取り直しは大変です。
試験機を作り直したことで、前回のデータとの互換性が微妙になってしまいました。理想を言えば、全部のフィラメントで測定し直したいところですが、時間も材料もかかります。
それでも、少しずつデータ更新していきたいと思っています。まずは主要なフィラメントから順番に測定し直して、サイト内のデータを更新していく予定です。
次にやること
まずは他の素材でも再測定を進めていきます。PLA以外のフィラメント(PETG、ABS、PA-CFなど)でも同様の傾向が見られるか確認したいです。
また、測定条件を固定して、代表的なパターンでのデータ取得を優先していく予定です。全パターンを測定するのは大変なので、まずは比較しやすい条件に絞って進めます。
今後もよろしくお願いします。